「ヒトラーの忘れもの」のシーンメモです。 4回見ただけなので間違いなどあるかと思いますが、DVD買ったら修正します。早く軍装だけで少年たちの判別がつくようになりたいです。
17/2/1 色々間違い修正。
- 出版社/メーカー: Happinet
- 発売日: 2017/07/04
- メディア: Blu-ray
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当然ながらネタバレ全開です。書き出してみると本当に無駄なシーンが一個もない綿密な構成だなぁと思います。 青地部分は私個人の感想です。
OP
息の音。ジープに乗るカール・ラスムスン軍曹。
敗戦しデンマークから撤退していくドイツ兵の隊列。
デンマークの旗を持ったドイツ兵を呼び止め、「お前の旗じゃない」と殴り倒すラスムスン。
ラスムスンのドイツ兵への憎しみの描写。冒頭のこの容赦ない描写があることで、後々の少年たちに対するラスムスンの態度はいくらか柔らかなものだということがわかります。
地図を見ながら浜辺に旗を立て、地雷原に印をつけるラスムスン。
トラックに乗せられた少年兵たち。不安げで潤んだ目が光っている。震えるエルンストの手を握るヴェルナー。それを見ているセバスチャン。 この時点でエルンストとヴェルナーのキャラ付けが確立されてるんですね。2回目見て気づいたとき切なかったです。
方々から集められ、デンマーク軍将校のエベ・イェンセン大尉から地雷について講義を受ける捕虜たち。皿型地雷を見たことがあるかという質問にセバスチャンが手を挙げている。
模擬地雷の解除訓練。手が飛んだとエベに杖で手を叩かれるルートヴィッヒ。「最初の死者になりたいのか?」とエベ。さらに2度爆死だと手を叩かれるルートヴィッヒ。 ルートヴィッヒがあまり解除が得意でないのがわかります。
実物地雷の解除。最初は指名されたヘルムートから、イェンセンに迅速だと褒められる。
次にウィルヘルム。解除が遅く急かされる。
双子はエルンストから、手つきがちょっと荒い。手が震えている。先に解除を終えて次のヴェルナーの心配をしている。
セバスチャン、エベから「いいぞ」と肩を叩かれる。ヘルムートが少し気にしたような様子で見ている。
セバスチャンとヘルムートが優秀な二人という演出がさりげなくなされています。
怯えて解除ができないルートヴィッヒ。苛立つエベに「連れてきましょうか」と名乗り出るセバスチャン。
セバスチャンの意見を退け、エベが様子を見にいく。
ルートヴィッヒが解除すると言って聞かないので戻ってくるエベ。
近くの兵士に「耳を塞げ」と小声で伝える。
無事に解除を終えたルートヴィッヒ。
安心した空気が流れる中、エベが少年兵に話し始めた途端、爆音。最初の死者。
模擬解除で飲み込みが悪かったルートヴィッヒが怯えるてるのが自然でいいですね。セバスチャンの仲間想いな性質が明らかに。これで終わったと安心したところで爆発が少年たちに死を身近に感じさせる。
腕章を巻いたヘルムートを先頭に一列で歩く少年兵たち。
農家近くの海岸沿いの小屋に到着。近くでは農家の少女が縄跳びをして遊んでいるが、少年たちに気づいた母親が家に入れさせる。ラスムスンがジープで到着し、整列させた少年たちの名を確認する。
ヨハン・マークライン、ロドルフ・ゼルケ、ヘルベルト・シュヌアー、アウグスト・クルーガー、エルンストとヴェルナー・レスナー、エルンストの代わりに名前を答えてラスムスンに怒られ謝るヴェルナー。謝るなとさらに怒鳴るラスムスン。
ウィルヘルム・レーバーン。ウィルヘルムを見て兵士か確認するラスムスン。ルートヴィッヒ・ハフケ、セバスチャン・シューマン。目を合わせないセバスチャンに目を見ろと叱る。ヘルムート・モアバッハ、ヘルムートに立派な軍服だと言うラスムスン。「戦場の経験はあるか?」、あると答えるヘルムート。涙ぐんでいるヘルムートを泣いているのかと繰り返し聞く。ヘルムートは幾度も否定。
先頭を率いている、立派な軍服、戦場経験があることからヘルムートが年長者らしいことがわかると同時に、涙をこらえる少年らしさも強調されたシーン。
幼いウィルヘルムに兵士かどうか確認したり、将校のヘルムートに対して繰り返し質問するのは、憎いドイツ兵と目の前の少年たちをどうにか一致させようとしている儀式にも思えて好きなシーンです。この第一印象があるからヘルムートはラスムスンに対してあまりいい印象がないのかなとも思えます。
昼。海岸に集められた少年兵。
地図を持たされたルートヴィッヒ。まずは安全地帯を作ると言われる。
砂浜に一定間隔で杭を突き刺しながら地雷を探す。次々に地雷を発見する少年たち。
迅速なヘルムート、慎重なエルンスト、おっかなびっくりなウィルヘルムとここでもキャラが見えます。セバスチャンが最初に地雷を発見したのをヘルムートが気にしているところも細かい。
夕方。草原の草をむしり袋に詰める少年たち。
夕方。小屋で寝る準備をしながら、ここでの生活も悪くないと言うウィルヘルム。帰国したら父の知り合いの工場で機械工をするというウィルヘルムに甘いなと悪態を吐くヘルムート。明るい未来なんて幻想だと。二人の言い合いを見て止めに入るセバスチャンを快く思ったウィルヘルムはセバスチャンも一緒に働けるように頼んでもらうと言う。俺も雇ってくれと言うヘルムートを止めるセバスチャン。
最年少のウィルヘルムの無邪気さを象徴するシーンであり、ヘルムートの悲観的性格も伺える。セバスチャンとヘルムートの対立のきっかけでもあり、重要なシーン。
小屋の外でイライラした様子のヘルムート。
農家の少女が人形遊びをしているのを見つけた双子。少女がパンを持っているのを見て、近づいていくヴェルナー。
人形が怪我をしていると言う少女に、「人助けも兵士の仕事」だと人形の足に包帯を巻くヴェルナー。
少女の母が気付き、ドイツ兵には近づいてはいけないと少女を呼び寄せる。少女に手を振るヴェルナー。
くすねたパンをエルンストと半分に分ける。
双子の性格の差異と民間人のドイツ兵に対する印象が同時にわかります。ヴェルナーの少女との接触も後々に効いてくる要素です。
愛犬のオットーを撫でるラスムスン。
2日食事なしで働く少年兵。ルートヴィッヒに「軍曹に食料を頼めるか?」と言われ、ラスムスンに食事を訴えにいくセバスチャン。
ドイツ兵がどうなっても構わないと言うラスムスン。
セバスチャンとラスムスンの最初の個人的接触。セバスチャンが他の少年兵から頼られる存在であることも示唆しています。
夜。小屋を抜け出そうとするヘルムートに気がついたウィルヘルム。
逃げるのかと尋ねると、食料を探してくるという。
ヘルムートの隊長意識が伺えます。兵糧を獲得できる兵士が信頼されるのは「西部戦線異状なし」にも見られる描写で、信頼されているセバスチャンへの対抗の意味もあるかもしれません。
昼。エルンストの体調が悪いので休ませて欲しいと訴えるヴェルナー。 熱を測るラスムスン。愛犬のオットーに話しかける。休ませることはできないというラスムスン。辛抱強く諭すように、最後は怒鳴りつけて双子を作業に戻す。 昨晩のセバスチャンとの個人的接触の影響もあるためか、ラスムスンの態度にはそれほど厳しさは見えなくなっています。
海岸で横たわるエルンスト。
体調の悪そうなウィルヘルムを気にするセバスチャン。嘔吐するウィルヘルム。直後、地雷が爆発。駆けつけるセバスチャン。両腕の吹き飛んだウィルヘルムを介抱する。立ち尽くすロドルフとアウグスト?近くにいるヘルムートに手伝ってくれと頼むが、ヘルムートはその場から動かない。泣き叫ぶウィルヘルム。「何してる! 助けろよ!」と代わりにヴェルナーが駆けつける。遅れてルートヴィッヒも手伝う。
作中、画面的にはもっともグロテスクなシーンです。最初の爆発シーンとして、地雷の威力について観客に知らせる意図があったのでしょう。以降のシーンで肉片や血などの生々しいシーンはないのですが、観客の脳裏にこの画が張り付いているので補完される形になります。最年少のウィルヘルムを気に掛けているセバスチャン、命令第一?でその場から動かないヘルムート、情に厚いヴェルナーの対比的な描写が秀逸。この時点でヘルムートも体調が悪かったのかもと考えることもできるかもしれません。
泣き叫び母を呼ぶウィルヘルム。ラスムスンを呼ぶセバスチャン。農家の女性は声を聞いて開いていた扉を閉める。
ラスムスン、ウィルヘルムに鎮静剤を投与する。軍用トラックで運ばれていくウィルヘルム。
夜。小屋で汗ばみ嘔吐に苦しむ少年たち。
昼。苦しむ少年たちに何事かと尋ねるラスムスン。「自分の責任だ」と名乗り出るヘルムート。
問い詰めると農家から家畜用の食事を盗んだことを明かす。隊員の兵糧確保は将校の役目だと自分の責任を強調するヘルムート。ラスムスンは責任はないという。
自身の責任を強調するヘルムートの兵士らしさと、一方で怯えた少年らしさに動揺を見せるラスムスン。双方ともに、昨日のウィルヘルムの負傷が頭にあり、責任を感じていることを考えさせられます。
唯一動ける状態のセバスチャンと一緒に農家に話を聞きにいくラスムスン。餌なんてないという農家だが、ラスムスンは古い餌を見てこれかと見当をつける。ネズミの糞だらけの餌を食べたことをいい気味だと笑う農家の女性。
農家を出て「笑ってましたね」とラスムスンに話しかけるセバスチャンに私語を禁じるラスムスン。セバスチャンに食べなかったのか聞くと、「僕の分だけ貰えなくて」と言う。
セバスチャンとラスムスンの個人的接触その2。序盤のヘルムートとの対立がここで効いてきます。隊長意識のあるヘルムートがセバスチャンをハブる理由としては少し弱いですが(脚本段階ではヘルムートの性格に難があり2人の対立も深かった)。
海水を汲むセバスチャン。少年たちに海水を飲ませて吐き出させ、体を洗わせるラスムスン。
小屋で眠る少年たち。小屋の外にいるセバスチャン。
就寝時間を伝えに来たラスムスンに、木枠に等間隔で糸を張ったものを見せ、これを使えば効率的に地雷が撤去できると言うセバスチャンだが、ラスムスンはそれを聞き入れられない。
個人的接触3。地雷撤去作業の効率改善を訴えるセバスチャンの積極性、少年たちの身の安全を考慮しないというラスムスンの態度。
赤十字キャンプを訪れるラスムスン。看護婦にウィルヘルムの容態を尋ねるが亡くなったと言われる。
ラスムスンが少年たちの食料を調達するところをエベが見ている。
直前のシーンで少年たちを案じてないことを示しながら、ウィルヘルムを見舞おうとし、食料を持ち帰るというアイロニー的な場面であり、少年への肩入れをイェンセンに気づかれ、後の英国兵とのシーンに繋がります。
小屋の前に食料をおき少年たちを起こすラスムスン。
食料を持ってきたとは言わずに、出てきた少年たちに気づかせる演出が、ウィルヘルムの件を気にしている風でもあり控えめでいいです。
鍋を持ちスープをよそって回るセバスチャン。
戦場で食料の管理を任されるのは一番信用のある兵士なので、そういう描写であるとともに一番空腹なはずなのに他者を優先するという姿勢を表している?
軍曹が動き出したのにいち早く気がつき、食事をおいて他の少年に整列を指示するヘルムート。
ここも周囲に気を配っているヘルムートの性格がよくわかります。
いいニュースと悪いニュースがあるとラスムスン。
いいニュースはウィルヘルムが回復し帰国したこと。横目でヘルムートの様子を気にするセバスチャン。
うっすらと安心したような笑みを浮かべるヘルムート、他の少年たちも喜んでいるがセバスチャンは冷静。
悪いニュースは撤去計画の遅れ。1時間のノルマが6個から8個に増える。
表立ってウィルヘルムに対する感情を現さなかったヘルムートに対して懐疑的なセバスチャン、それには気づかず本当にひっそりと安堵した様子を見せるヘルムートというバランスが絶妙。実際にウィルヘルムを介抱し傷の重さを知っている、個人的接触でラスムスンのことを知りかけているセバスチャンが、ラスムスンの言葉に疑いを抱いているのか真顔なのも素晴らしいです。
浜辺。セバスチャンの提案した木枠を使って作業している少年たち。 セバスチャンの提案を受け入れられないとしつつも黙認するラスムスンの描写。ヘルムートが使ってるのもポイント。
地雷を積んだ手押し車を引く双子とルートヴィッヒ。 国に帰ったら復興のため左官会社を興すという双子。 地雷の取り扱いが雑だとラスムスンに怒鳴られるエルンスト。 撤去した地雷を数えるルートヴィッヒ。念入りに数えている。 双子の掘り下げ、地雷の取り扱い注意、地雷を数えるルートヴィッヒの伏線3つ。
小屋の外で雑談したり、戯れる少年たち。草原で虫を捕まえ、名前をつけている双子。ティム・ベニー・六本足・キクイムシ。 双子の仲の良さ、少年らしい無邪気さを象徴。積み木で遊んでるのは迷彩スモックを見るとウィルヘルムだと思うので、シーンが前後したのだろうと思われます。
夜。海岸に膝立ちで並ぶ少年たち。イギリス兵の下卑な声。
イギリス兵に小便を浴びせられるルートヴィッヒ、止めに入るセバスチャン。恋人同士かと野次られる。
気が付いたラスムスンが止めに入る。少年たちを「自分の兵士」として認め、英国兵を帰らせる。
付近にいたエベに士気が下がると訴える。ドイツ兵に食料を与えたそうだなと訊すエベ。自分と犬の分だととぼけるラスムスン。噂が立ってる。
「子供に処理をさせるとは聞いていなかった。大人の兵士を連れて来てくれ」というラスムスン。
同じデンマーク軍であっても少年兵に対する態度が異なること、少年兵へのラスムスンの戸惑いの吐露。
地雷処理中、地雷同士が針金でくくりつけられ二重になっている(撤去前提のブービートラップ)ことに気がついたセバスチャン。周囲に撤去中止を訴えかけるが潮騒で中々伝わらない。 呼びかけに気づいたエルンスト、ヴェルナーに中止を訴えるが、処理に夢中なヴェルナーは気づかず、1個目の地雷を撤去し持ち上げたところで爆発。エルンストの目の前で粉々に吹き飛んだヴェルナー。ヴェルナーを探して砂浜を歩き回るエルンストをルートヴィッヒが押さえつける。 潮騒で届かない声、撤去成功を喜ぶヴェルナー、爆発がすさまじく跡形もない身体、事態を受け入れられず錯乱するエルンストという……これまでの双子の絆の深さを描いたシーンが全部破片になって突き刺さってきます。
小屋。エルンストを抑えているセバスチャンとヘルムート。
ラスムスン、エルンストに鎮静剤を打ち、二人に席を外させる。
逃げたヴェルナーを探さないとというエルンスト。明日探すというラスムスン。大人しくなるエルンスト。一人では眠れないと訴える。
2人で国に帰ってドイツを復興させるんだと、兄を嫌わないでと訴える。エルンストが寝入るまで側にいるラスムスン。
エルンストを庇うヴェルナーの姿を度々目にしてきたラスムスンにとって、エルンストの叶わない夢を知ること、国を想う少年であることに触れることは辛いことだったでしょう。
夕方。浜辺にいるセバスチャンに近づくラスムスン。
ウィルヘルムが生きていると嘘をついたことを告白する。セバスチャンは気がついていた。
動揺せず仕事をすることができたと感謝するセバスチャン。
十字架をしまうセバスチャンに取り上げないというラスムスン。父の話をするセバスチャン。
個人的接触その4。親子に近いような空気が流れています。
キャンプで食料を調達するラスムスン。周囲の目を気にしている。
昼。浜辺を駆ける少年たち。安全地帯でラスムスンとサッカーに興じる。
人影に気づきルートヴィッヒが近づく。補充兵のグスタフとアルベルト。
ここの空撮シーンがもううつくしくて大好きです。
草原。仲間に加わらず、1人でネズミを捕まえているエルンスト。 「逃げないでよ」と捕まえたネズミにヴェルナーを重ねている? 正気とも狂気ともつかず、ヴェルナーを探し求めているようなエルンストがつらいです。
セバスチャンとヘルムートがフラッグレース。ヘルムートが勝利してはしゃいでいる。 隊長らしくあろうと自分を律してきた印象のあるヘルムートが無邪気にはしゃいでるのが感慨深いです。
帰り際、愛犬オットーにボール取りをさせるラスムスン。
爆音。オットーが浜辺に倒れている。楽しげな空気が潰える。
度々描写されてきたラスムスンの愛犬家描写がここで効いてきます。この浜辺での一連の休息シーンが、この作品中もっとも明るいシーンだっただけに、その終わりを告げるこの場面が辛すぎます。ヘルムートが懐にフラッグレースの旗を抱えてるのもいい。
ルートヴィッヒに数え間違えを問い詰めるラスムスン。 間違いなく撤去したと言うルートヴィッヒ。ルートヴィッヒに犬の真似をさせるラスムスン。
どこが安全なんだと怒鳴り散らすラスムスンに、数え直すというヘルムート。数え直せば安全なのかと怒鳴るラスムスン。 甘やかしすぎたのが間違いだったというラスムスン。 ラスムスンが立ち去った後、フラついて手に持っていた旗を落とすヘルムート。
少年たちに腕を組ませ一列で安全地帯を歩かせる。「銃殺してくれ」と震えながら笑い出したヘルムートの頬を打ち黙らせる。
小屋。死ぬ前に逃げると言うヘルムート、「終われば帰れる」と言うセバスチャンと口論。
数人でヘルムートを押さえつけてベッドに縛り付ける。騒ぎに無反応なエルンスト。
ラスムスンに好意的なセバスチャンとヘルムートの対立構造に、どちらにつくとも言い切れない他の少年たちの複雑な心理と、無感情なエルンスト。
朝。海岸で遊ぶ少女。
血相を変えた農家の女性が軍曹を探し小屋に駆け込んでくる。軍曹は不在。
ルートヴィッヒ、ヘルムートの拘束を解き、少年たち、女性と浜辺に向かう。
地雷原に迷い込んだ少女。セバスチャンとヘルムート、撤去のために地雷原に入ってゆく。
縛られてて一番合流遅いはずなのにセバスチャンに次いで速く着いてるヘルムートの快足ぶり。
小屋が開け放たれているのに気がついたラスムスン。1人小屋に残っていたエルンストに事情を尋ねる。
浜辺に合流したラスムスン。見知らぬ人に囲まれ不安そうな少女。
小屋。ネズミとエルンストのカット。
浜辺にやって来たエルンスト。迷いなく地雷原に入り少女の隣に座る。
少女はエルンストを以前遊んでくれたヴェルナーだと思って安心する。 ヴェルナーが人形に巻いた包帯は茶色く汚れている。
少女と遊びながらヴェルナーは大切な存在だったというエルンスト。
地雷処理を終えたセバスチャンがエルンストから少女を預かる。
戻れと言うセバスチャン、エルンストは迷ったような様子を見せるが、背を向けて地雷原を歩いて行く。
「人助けも兵士の仕事」だというヴェルナーの言葉を実践してから、後を追うエルンストというのがもう……不穏に鳴っている鐘の音が次第に大きくなり、死をいやでも予感させる演出も堪らない一方で、すごい綺麗なシーンでもあります。エルンストを止めようと地雷原に入っていくセバスチャン、爆発を見て悔しそうに地面を叩くヘルムートも切ない。
泣いているセバスチャンを気にかけるラスムスン。終われば家に帰れる、もうすぐ終わると繰り返し諭してなだめる。
度重なる死に感情を失ったようになったセバスチャン、それを見るラスムスンの辛さも伝わってきて尚更つらい。
草原。雑談しながら撤去した地雷を積み込んでいる少年たち。
別の場所。浜辺で撤去作業をしているヘルムート、セバスチャン、ルートヴィッヒ、ロドルフの4人。
草原。母親がベルリン1の料理上手だと自慢するグスタフ。家に来ればご馳走すると話している。ヘルマン?が地雷を積み上げた瞬間、地雷が一斉に爆発する。 ラスムスンに地雷の取り扱いを叱られたエルンストも、そばにいたルートヴィッヒもヴェルナーもいない場での悲劇。
駆けつけたラスムスンと4人。草原は黒焦げで跡形もない。
暗い顔でトラックに乗り込む4人を見送るラスムスン。近くには農家の親子も見送りに来ている。
ラスムスンとエベが話している。
スカリンゲンの地雷撤去のために、習熟した人間が必要だと言うエベ。
少年たちは家に帰したというラスムスンだが、少年たちは帰されていなかった。
デンマーク中の地雷を除去するまで帰せない。
たった4人だ、帰してやってくれと訴えるラスムスンだが命令だと意に介さないイェンセン。
これ以上言い募るようなら少年兵を射殺すると言い渡す。
スカリンゲンに連れてこられた4人。地図はなくどこにどれだけ埋められたかもわからない。
もう反応することすら忘れてしまったような少年たちの虚しい表情。
呼び出され名を確認される4人。トラックに乗るように促される。
トラックから降りるとラスムスンがいる。
ドイツ国境付近、走って逃げろと少年たちに指示する。
振り返るセバスチャン。見送るラスムスン。
少年たちが無事に国境を越えられるのか、帰れたとしてつらい思い出を抱えた少年たちが幸せに生きることはできるのか、ラスムスンは軍から罰せられるのか……物語の先に浮かぶ未来は決して明るくないからこそ、穏やかな平和を祈る気持ちになります。
暗転。
2000人以上のドイツ人捕虜が地雷撤去に従事させられ、半数が死傷した。
その多くが少年兵であったとテロップが表示され END