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映画「プライベート・ライアン」感想

なんかここ数日、アマゾンやBSCSで映画ばかり見てるのでその感想をまとめてたらやたらに長くなってしまったので別記事になりました。

 

**映画「プライベート・ライアン」**


超有名作ですがようやく見ました。すごい作品でした。有名AAのアパーム、玉持ってこいって元ネタこれだったんですね。

 

あらすじ

4兄弟で従軍し、3人が戦死したライアン兄弟。末弟だけでも故郷の母の元に送り返してやろうと、ノルマンディー上陸作戦の真っ只中、ドイツ軍との激戦の最中にフランスのどこかに放り出されたパラシュート降下兵のジェームズ・ライアン二等兵1人を探すために、8人が駆り出されるという現実離れした話。 

ただこの作戦自体はフィクションですが、米軍には実際に兄弟で従軍した場合、兄弟の配属はばらけさせ、一度に戦死しないように配慮する(兄弟5人で同じ艦に勤務していたために全員が戦死したサリヴァン兄弟に因む)、6人の息子のうち、従軍していた5人中4人が戦死、母の嘆願書から除隊が認められたボルグストロム兄弟などの前例からなる、ソウル・サバイバー・ポリシーなるものがあるそうで(正式な制定は1948年)、この映画も実在のナイランド兄弟をモデルとしているそうです。  
配属といえば、「ヒトラーの忘れもの」の双子のヴェルナーとエルンストも空軍と陸軍で全然別でしたけど他の国にも兄弟は別々に配属するみたいな方針があるんでしょうかね。双子の場合は単純にややこしさの関係もあると思いますが。  


これ2人兄弟とか少人数の場合でも適用されるんでしょうか……? 最初から一人っ子だった場合は……?とか謎は尽きないです。  


私は映画の劇場鑑賞料金1800円はかなり高いと思っていて(大抵の本なら買えますし……)、1100円なら見てもいい出来だなーとか、せいぜいレンタルで300円だなとか、生臭いことをよく考えるんですが、この映画は**最初の20分で帰っても1800円の価値がある**と思います。

オマハビーチへの上陸作戦の激戦を描いた一連のシーンは、生存者がいる方が不思議なくらいの激戦。必死で止血した兵士の頭部を撃ち抜かれ悪態を吐く衛生兵、銃弾がヘルメットを掠め助かったのを運がいいと言われた直後、脳漿を撒いて斃れる兵士、波まで真っ赤に染まった海岸線に斃れる無数の死体の中に、ライアンの兄の姿も……

 

この冒頭の激戦があるからこそ、何百人、何千人が無慈悲に死んでいった壮絶な戦闘を生き残った貴重な戦力を割いて、たった1人の生死不明の二等兵を探しに行く任務という矛盾に引き込まれていきます。   
トム・ハンクス演じるミラー中隊長は、これまで部下が1人死ぬたびに、部下1人の死が10倍、あるいは100倍の人を救ったのだと心を慰めてきましたが、今回の作戦は何を賭してもオハイオ二等兵1人を母の元に帰すだけの任務なのです。


後半の少人数で戦車を相手にする市街戦の絶望感も凄まじくて、砲塔が見えるたびホラーでした……**P-51が本当に天使に見えました**  
例えば戦時下におかれたとして勇敢に戦えるきがしない人間としては、元は暗号解読班でろくな戦闘経験がなく、戦場をおろおろするばかりのアパム伍長に、ついつい感情移入して見てしまいました。

スナイパーの彼もかっこよかったなぁ……。