「一番可愛がってるものを殺せ。君の物書きとしての小さな自尊心がボロボロになっても構わないから、一番可愛いそれを殺すんだ」 スティーブン・キング[作家]
「クリエイティブ」の処方箋―行き詰まったときこそ効く発想のアイデア86
- 作者: ロッド・ジャドキンス,Rod Judkins,島内哲朗
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2015/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一番可愛がっているものとは何か?
ある人にとっては登場人物かもしれませんし、ある人にとっては救いのない展開、ある人にとってはハッピーエンドかもしれません。
とにかくものを書く人には自分の好きな領域、得意な領域があります。わかりやすい例は、この漫画家の作品はいつも黒髪ロングの子がヒロインだなぁとか、いつも片思いのキャラが出てくるなぁとかです。
映画にせよ、小説にせよ、ある程度作品数を見て、王道の物語というものに慣れてくると、お約束というか、次はこうなるだろうとか、きっとこれが伏線だろうとか、物語をメタ視線で見てしまうようになります。
素直な作家さんだと、このキャラはお気に入りだから死なないだろうなとかも何となくわかってしまったり……
実際、私も二次創作を書いていたことがあるのですが、何作か書いていると性癖というか、絶対に書かない物語のパターンがあって、同じような作品になってしまいます。
そのパターンから抜け出すためには、自分を殺す必要がある、と。
キャラクターを退場し損ねて、すべてのキャラクターに見せ場を与えられなくなっている作品がよくありますが、キャラクターが役割を終えた時点で退場させて、「もっと見たかった」と思わせるのが上手い作家のやり方なのかもしれないなぁと思います。