下記記事を見て渋谷のカフェで箱庭療法が体験できると知り、自分でも体験してみたくて行ってきました。
詳しくはココロゴトカフェ公式サイトをご覧いただくとして、 ココロゴトcafeとは|聴くプロ公式サイト
事前に希望日時をメールで打診。 後日の返信メールを持って予約完了となります。
ミニチュアでトークは30分、3000円(税抜)+ワンドリンク制となります。
店構えと一階はごく普通のカフェといった感じ。入店し、名前と予約を伝え、注文したドリンクを持って地下へ。
地下では前の予約の人が箱庭療法を受けているようでした。
10分程、飲み物を飲みながら待っていると、店員さんが箱庭用の砂の入った箱を持ってきました。
砂はサラサラではなく、適度な湿り気があり、山を作ったりもできます。
室内の棚にあるぬいぐるみ、人形、ミニカー、貝殻などのミニチュアの中から、心惹かれたものを選び、置いていきます。
私はガラスの小物が好きらしいなと思いながら作った箱庭がこちらです。
この写真だけでは、何が何やらわからないと思いますが、箱庭ができたら心理士さんと話しながら、この箱庭がどういう世界なのかを掘り下げていきます。
箱庭のエリアを分析
まずこの箱庭が自分の中でどういう世界観になっているのか、言語化します。
左側の狭い土地と、右側の広い土地に分かれていて、間には海と険しい山や障害物があります。
「右側の場所は住みやすくて安全、楽しい場所」
「左側の土地も、左下の方は狭いけど、きれいなものがあって悪くない場所、左上は怪物がいて危険な場所」
箱庭世界の住人
次は箱庭世界の住民について、どんなキャラクターなのか話します。
左上の怪物(キメラ)→右の世界と左の世界の行き来ができないように邪魔している。羽根が生えているので、怪物に知られないように逃げるには海しかない。
左下近くの海にいるペンギン→死んでいる。右側の楽しい世界に行こうとしたけど、崖が険しくて力尽きた。
左下隅で悩んでいるカエル→右側の世界に行ってみたいが、怪物が怖い、空は飛べない、淡水生物なので海は泳げない、泳ぎのうまいペンギンも失敗して死んでしまったのを見て、動けずにいる。
右側のピンクの鳥→今は右側の世界に住んでいるが、元々は左側の世界に住んでいて、カエルやペンギンの友達だったが、怪物のせいで左側の世界には帰れない。
右上の鳥→右の世界の代表者のような存在。ウェルカムボードの上に乗っている通り、来るもの拒まず。社交的。怪物が行き来を邪魔していることは知らない。左側の生き物(カエルや怪物)が遊びにこないのを不思議がっている。
山の上にいる鳥→ペンギンが死んだところを見ていたが、そのことをピンクの鳥に報せられずにいる。怪物が行き来を邪魔していることを知っている。
カエルのそばのカメ。カエルの友達。脇役。
その他の鳥。脇役。
箱庭世界の過去
次にこの箱庭世界がいつからこうなってしまったのかを考えていきます。
この世界はいつからこうだった? カエルがもの頃ついた頃にはこうだった。
その前はどんな状態だった? 左側に怪物が一人で住んでいた。海も山もなく右側の世界とも陸地でつながっていた。
右側の世界はどうだった? 今いる鳥はいなかった。右上の鳥は二代目。この鳥の代になるまでは、そんなに歓迎的な雰囲気じゃなかった。
怪物は元々、右側の鳥たちの世界にいた。鳥たちの世界で疎外感を感じていた。「自分が鳥じゃないから嫌われるんだ」と思い込んで、左側に住むようになった。
鳥たちは怪物がいなくなっても気にしなかった。怪物が海や山を作っても、左側の土地はもともと住みづらいところだったから、右側の世界の住人は気にとめなかった。
カエルは怪物が左側に連れてきた。 カメや鳥、ペンギンも卵のころにカエルの友達として連れてこられた。カエルの周りのものはカエルの宝物で、これも怪物が持ってきた。
ピンクの鳥が逃げるまでは左側もそんなに悪い世界じゃなかった。ピンクの鳥は成長して、右側の世界に行ってみたくなった。鳥の仲間がたくさんいるから。
怪物は鳥に裏切られたと思った。ペンギンも逃げ出して、ますます鳥が信じられなくなった。
怪物はカエルが逃げないように、右側の世界は鳥じゃないと虐められると吹き込んで逃げないようにして、左右の世界を行き来できないように見張りを始めた。
どうしたら箱庭世界を癒せるか?
上記の話の流れから、どうやら怪物を癒やすことができれば、左右の世界は行き来ができるようになることがわかりました。
どうすれば怪物を癒やすことができるだろうか?考えながら、棚からミニチュアを選びます。
結果がこちら。
グリフォン、トリケラトプス、ワニ、エリマキトカゲなどを箱庭に追加しました。
鳥たちばかりの世界で、自分は仲間外れだと感じてしまったことから、怪物は鳥に不信感を持つようになったので、右側の世界に色んな種族がいれば、怪物は自分が嫌われたのは、鳥じゃないからではないことに気がつくことができるのでは?と思い、このような配置になりました。
ペンギンも砂に埋めて弔いました。 カエルはまだ悩んでいますが、邪魔をする怪物はもういないので、カエルさえ覚悟を決めれば、右側の世界に行けるはずです。
怪物とピンクの鳥、カエルと怪物の和解などの課題は残りますが、最初の殺伐とした世界に比べると、ずいぶん対処できる世界になったと思います。
箱庭と現実の私の共通点
現実の私
幼少期に機能不全家庭といじめのダブルパンチで人間不信になり、11歳のときに登校拒否という形で爆発。10年引きこもりをしていましたが、専門学校に入学、就活ヲ終えて働いています(当ブログは社会復帰の過程を記録するため、専門学校在学時に開設したものです)
それを踏まえて箱庭世界を見ると
箱庭世界の住人
怪物→いじめられて人間不信になった私
ピンクの鳥→脱ひきこもりした私
カエル→安心な世界にひきこもっていたいと思っている私
ペンギン→社会復帰に苦しんだ私
とそれぞれが自分自身の投影であることがわかります。
また、カエルの周囲のものや、ピンクの鳥が透明なのは、正体のわかるもの(安全なもの)だけに囲まれていたいという気持ち、未だに残る根深い人間不信が強く反映されていると感じます。
最後に担当してくださった心理士さんからメモをもらって終了。 カウンセリング時間はくださ3分とのことでしたが、待っている時間や、箱庭を作る時間を合わせて、2時間弱かかったので、他の予定などは入れないようにしておいたほうがいいかもしれません。
精神状態によって、つくる箱庭も変わってくるそうなので、定期的に予約を入れれば、自身の精神状態を適切に把握する効果もあるのではないでしょうか?
別口でカウンセリングなども受けているので、半年後くらいにまた受けてみようかなと考えています。
当記事が何かの参考になりましたら幸いです。
病気の子どものこころの世界: 描画・箱庭・物語づくりから見えてくるもの
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