ひきこもりなのでライブに行ったことは全然ないんですが、ひきこもり時代は1日に1時間くらいは音楽を聴いていて、その中でも特別な立ち位置にいるバンドが2つあります。
衝動買いした初代のiPad nanoを買ってから10数年、PCを三代転生しながら膨れ上がったiTunesのライブラリは4000曲近くになりますが、変わらず特別な地位を占めるバンドです。
Syrup 16g
1996-2008年に一度解散。2014年に再結成しています。 作詞作曲を手がけるボーカルの五十嵐さんは音楽の専門学校に入る前にひきこもりをしていた経験がある方です。
好きになったきっかけは2003年頃、好きなサイトの管理人さんがオススメしていたから。同時発売されていた15曲1500円の価格破壊アルバム「HELL SEE」を購入しました。
最初はそれまで聞いていたポップ路線とは違う音楽性にあまりピンときていませんでしたが、繰り返し聴くうちにじわじわと五十嵐さんの歌詞世界に引き込まれていきました。
五十嵐さんの絶望は出口がなくて、逆に救いのないひきこもりの生活にすら希望を見せてくれたし、突きつけてくれるものがありました。
好きなアルバム
7曲目の「翌日」はダウナーな曲が多いSyrup 16gの中では、前向きな曲で、「急いで人混みに染まって 諦めない方が奇跡にもっと近づくように」と社会に溶け込もうとしていく歌に聞こえます。
その一方で14曲目の「明日を落としても」では、「明日を落としても 誰も拾ってくれないよ それでいいよ」と、対局的に明日を歌っている2曲が特に好きです。
特に好きな一曲
生活
君に存在価値はあるか? そしてその根拠とはなんだ?
前述の「翌日」と「明日を落としても」も大好きですし一曲に絞るのは至難の技なんですけど、存在価値に根拠を求めてられて、無意識に自分を特別視している(自意識過剰な)な時代に水をぶっかけられたような曲でした。
「心なんて一生不安さ」と歌ってくれて、不安でいいんだと思えた曲でもあります。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンです。好きになったきっかけはラジオか何かをたまたま聞いていて、ブルートレインはリズム隊が高度だみたいな話をしていて、興味を持ったので2006年頃?
好きなアルバム
3rdアルバムの「ファンクラブ」です。
1stアルバムの「君繋ファイブエム」も、2ndアルバムの「ソルファ」も、繋がるをテーマにした前向きなアルバムなんですけど、ファンクラブは内面的で閉じた世界観の曲が多いです。どれも抜群に好きです。
特に好きな一曲
暗号のワルツ
そうやって何度も逃げ出すから 何もないんだよ
誰かに何かを伝えようとするのに、暗号を解く鍵はなくて伝わらない歌です。何もないと自分のことを言われた気になりました。
暗号のように塞いだ言葉と歌われるように、意味深な言葉(歌詞)というのは、人によって色んな考察ができることもあるけれど、人に伝えることを一義としていない「わかってる人にだけわかればいい」っていう閉じた(甘えた)コミュニケーションでもあるのかなぁと。
「助けて」と言わずにリストカットで気をひこうとしたり、暴言を吐いたり暴力を振るったりっていうのも、そういう閉じたコミュニケーションなんだろうなと思います。
最後に「伝うかな」と問いかけつつ、「伝うわけはないよな」と悟って、認めてしまうのがとても好きです。それでも諦められずに、何かを伝えようとせずにはいられないのが不毛だけれどうつくしいなと思います。
そのうち個別で他の曲の記事も書いていきたいなぁと思います。