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配偶者の悪口は子供への間接的な虐待になる

この記事の概要

「配偶者の悪口は子供への間接的な虐待になる」理由を、母親から配偶者への不満を聞かされて育った私が、子供視点から述べています。

子供が捌け口になる家庭の構図

夫婦二人だけの頃はうまく暮らしていたのに、子供が産まれてから配偶者への不満が目につくようになり、不和になる家庭は少なくないと思います。

単純に考えても、夫婦二人の頃と比べて、家族が増えたことによる家事負担の増大がありますし、共働きの家庭の場合、育児休業による経済的負担も要因になりえるでしょう。

話し合いで解決することができればいいのですが、一方が我慢して溜め込んでしまう性質であったり、話し合いをしようとしても聞き入れなかったりすると、配偶者への不満を抱えたまま育児をすることになります。

配偶者(夫、妻)への不満というものは、あまり人にいい気持ちをさせる話題ではありません。

また、配偶者に不満があっても、「恥ずかしい」、「情けない」などの気持ちから、友人や同僚など、外には持ち出せない方も多いと思います。

その結果、配偶者に似ている子供に対して、直接的な暴力や暴言などの虐待が出る場合もありますが、今回はまた別の話で、本人も子供も自覚しづらい虐待の話です。

そのような家庭環境で、子供がある程度大きくなり、会話ができるようになってくると、配偶者への不満がつい口をつき、子供に漏らしてしまう、更にはそのまま習慣化してしまいます。

第一子、特に男児と比べると言葉の早い傾向がある女児が多いのではないかと思います。

女性の方が家庭の不満を抱え込みやすい、日本の育児の構造的な問題もあると思います。

子供を自分の分身と捉えてしまうと、つい自分と同じく、子供も配偶者(子供にとっては片親)に不満を抱いていると勘違いしてしまいがちです。

 

子供はあなただけではなく、配偶者の分身でもある

いとこ婚などの親類婚を除けば、妻または夫の視点から見た配偶者は血縁関係0%の他人です。他人を悪く言ったところで自分には関係がないと割り切ることもできます。

ですが、子供から見た場合はどうなるでしょう?

子供は父親と母親から50%ずつ遺伝子を受け継いでいます。父親に似ているところもあれば、母親に似ているところもあります。

配偶者の不満を子供にぶつけることは、子供からすれば半身に半身を口撃されるようなものです。

さらには、これを両親が共に行うと、子供は自分自身の100%、つまりは全人格を否定されます。

私自身、母親と一緒に父親を悪く言った経験がありますが、母の言う父の悪いところは私にも当てはまる部分があり、知らず知らずのうちに自己否定観念を植え付けられ、しかも愚痴の頻度が多いほど、上塗りされて強固になっていきます。

悪いところばかりが目につくようになり、自信がなくなります。

自分が片親に似ているために、いつか親から見捨てられるのではないかと、愛情に対する不信感が根深く残ります。

また、人格批判が習慣になってしまうために、他者の評価に依存するようになります。

 

子供を捌け口にしないために

いつも愚痴ばかりの友人とは、次第に疎遠になっていくように、少しくらいなら聞ける愚痴でも、次第に負の感情が降り積もって辛くなっていきます。

しかし、子供は少なくとも未成年のうちは、親から離れることが難しく、逃げ場がありません。

  • 話し合い、あるいは手段(別居、離婚を含む)によって配偶者への不満を解決する。
  • 友人や知人、あるいはカウンセラーなど、他者に相談し、子供を捌け口にしない。

虐待の連鎖と言われるように、アダルトチルドレンや機能不全家庭は、世代を越えて発現する遺伝病にも近い性質を持っています。

帰巣本能から、自分の幼少時に近い家庭環境を無意識のうちに求めてしまうからです(両親が高齢の時に生まれた子供は、大人っぽい顔立ちの人を好むそうです)

 

私は母との関係は良好だと思っていたので、「母から聞いた父への悪口を、自分への悪口と捉えてしまっていた」ことに気がついた時は、愕然としました。

最初は、何故、自分が傷ついているのかわかりませんでした。

そして、母にとっての父は他人だが、私にとっての父は他人ではないことに気がついた時、「絶対に自分の子供にはそうしないようにしよう」と思いました。

傷つく理屈がわかることで、避けられる虐待もあると思うので、この記事に書き残した次第です。

 

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